ミイの日々 新生児遷延性肺高血圧症を克服!NICU約1ヶ月で卒業へ

新生児遷延性肺高血圧症を克服!NICU約1ヶ月で卒業へ


元々NICUに入ることは決定していた

先日、出産した赤ちゃんが産後すぐNICUに入ってしまって約1ヶ月。

おかげさまで、この度退院することが決まりました。

私は全前置胎盤で33週から管理入院し、37週4日で予定帝王切開での出産でした。

全前置胎盤は大量出血が予想されるハイリスク妊娠であり、出血に備えて自分の血液を献血する自己血貯血を行ったり、手術前に出血がないように安静に過ごしたりしました。

私は全前置胎盤だけでなく、妊娠糖尿病も併発しており

入院時はインスリン管理毎食前(2.2.2)だったのが、入院中日に日に悪化してしまい、最終的に帝王切開前日には(8.4.4)で1日の合計が16単位になってしまいました。

私の病院の基準なのか、産科全体の基準なのかはわかりませんがインスリン管理が1日15単位を上回る場合

出産した赤ちゃんは異常初見がなくても必ずNICUに入ると言うことでした。

これは、妊娠糖尿病のママから産まれた赤ちゃんは一時的に低血糖になりやすいのでそれを防ぐためにNICUで注意深くみるということでした。

必ずしも低血糖になるわけではないですし、なってもすぐに対処できるようにNICUで管理するので、大きく心配しなくても良いとのことでした。

私の妊娠糖尿病のせいで産まれる前から赤ちゃんがNICU確定だなんて…と思いましたが、逆に赤ちゃんが低血糖になってしまったのに私が気付けない方が怖いので、NICUでしっかり見てもらった方が安心だと思いました。

また、帝王切開前に主治医の先生に「帝王切開だと赤ちゃんが産声上手くあげないことがある」と言う話をされました。

なんで手術前にそんな話するんだよ〜と思いましたが、これはきっと手術中にもしも赤ちゃんが泣かなかったとき、私の動揺を少しでも減らすためだったのだと思います。

また、エコーでは赤ちゃんの左の腎臓に少し水がたまっているとのことで、胎児水腎症を疑われていました。

ただ、軽度だったので産まれてみたら問題なかった子も多いと言うことで、これもまた大きく気にしなくても良いと言われていました。

私も妊娠中様々な病気にかかりましたが、赤ちゃんも赤ちゃんで様々な理由で産まれる前からNICUに入る可能性がある状況でした。

さて、実際に産まれてみると…

手術は成功した

手術は上手く行き、胎盤の癒着もなかったため大量出血はしたものの自己血を戻すだけで済みました。

赤ちゃんは手術室で産声を上げてくれたのですが、息が苦しそうということで呼吸器をつけられてNICUへ、でも元気に産声をあげてくれたので私としてはあとは妊娠糖尿病の影響で低血糖にならないか、水腎症が問題ないかだけの心配をしていれば良いのかなって思っていました。

コロナ禍の世の中なので基本的に面会はできませんが、手術当日はパートナーと1時間だけ面会ができるということで

手術後、私の処置が落ち着いたところで主人にきてもらい面会しました。

その時、NICUの新生児科の担当医がきてくれて主人と一緒に話を聞きましたが、

赤ちゃんは低血糖になることもなく、病名的には「新生児一過性多呼吸症候群」と言うことで、名前を見るとなんだか不安になりますが、先生からするとよくある症状で大体3日以内に問題なく治ることがほとんどなのでママと一緒に退院できる可能性もあると言うことでした。

出産前に色々心配したけれど、結局低血糖とか、水腎症とか関係なく呼吸の関係で入院かい!!?

って心の中でツッコミ入れてました。
(この時はまだそんなに深刻じゃなかったので。)

ところが、翌日の夜です。

事態は急変する

帝王切開が朝9時で、新生児科の先生が来たのが翌日の21時だったので、産まれてから1日半たったときのこと。

昨日きてくれたNICUの新生児科の担当医が入院している私の部屋に書類をたくさん持ってやってきました。

夜の21時で消灯時間を過ぎていたので、この時間に先生がくると言うことは何かあったんだなと思って身構えると

赤ちゃんが気胸」になってしまってこれから手術が必要なので、承諾書にサインをしてください。

とのことでした。

気胸って肺に穴が開く病気だよね…?なんで?昨日はそんなに心配ないって言ってたじゃん、最初からあいてたのが今見つかったってこと?だとしたら、1日以上穴があいた状態で大丈夫なの…ってか、生後1日で手術って…

色々考えたし、聞きたかったのですがすぐにサインをしないといけなかったし、私の質問やそれに答えている時間も惜しいと思って一つだけ

私「赤ちゃん◯んじゃったりしないですよね…?」

と聞くと、

先生「絶対はないですが、そうならないように努力します。」

私「よろしくお願いします。」

この質問が精一杯でした。

そのあとは主人に緊急手術のことを伝え、2人で無事に手術が終わることを祈りながら待ちました。

ネットで調べると手術時間は1時間ほどということで、思ったより短くそこまで大きな手術じゃないのかな?とか、新生児気胸の予後は比較的良好だとか、

自分に都合の良い記事ばかりをみて不安と戦いました。

ネットの記事通り、1時間ほどたった22時過ぎに再び先生がきて、手術が無事に終わったことを報告してくれました。

翌日赤ちゃんを見に行くと、口には人工呼吸器や胸には心拍モニターと気胸の手術をしたため肺からチューブが伸びていたり、点滴も10種類、点滴の針は両手両足にささり尿道カテーテルもつながっていて本当に見ていて痛々しくて苦しくなったのを覚えています。

気胸の原因を聞くと、肺を広げるために必要なサーファクタントと言う物質が不足していたとのことでした。

このサーファクタントは通常34週に完成するので、妊婦さんの中では34週を「肺の日」として一つの目安としている方も多いです。

私は37週4日での出産だったので、通常は肺は完成しているはずなのですが、妊娠糖尿病のママから産まれた赤ちゃんはサーファクタントが育ちにくくそのためだろうとのことでした。

私の妊娠糖尿病のせいで…と本当に赤ちゃんに申し訳なく、チューブだらけの赤ちゃんをみてとても辛くなりました。

心配してくれた人たちに出産報告をする予定でしたが、チューブだらけの姿の写真を見せる気にはなれなくて、相手にも気を遣わせてしまいそうだし、と報告は落ち着いたらしようと思ったものでした。

そして、悪いことはさらに続きます。

生後3日で今度は気胸から「新生児遷延性肺高血圧症」になってしまったというのです。

ググると、かなり悪いことばかりが書かれています。

予後が悪かったり、後遺症の発症率や生存率の話まで書いてある記事もありました。

気胸のときは悲しかったけど、予後には問題がないことが多いと言うことで、それならまだ良かったと思えて耐えてこれていたのが遷延性肺高血圧症で全て打ち砕かれた感じでした。

肺高血圧症とは、肺の血管が硬くなって広がりにくくなっている状態で、遷延(せんえん)とは物事が長く続いている状態のことを言うので、赤ちゃんの肺の血管が広がりにくくなっている状態が長く続いているということです。

気胸になった赤ちゃんは、ほぼなってしまうみたいで、いつなるか先生はずっと気にしてくれていたとのこと。

治療は一酸化窒素で血管を広げるということで、この一酸化窒素を使うことを調べても

窒素を使うのは遷延性肺高血圧症の中でも重度だと出てきたり調べれば調べるほど、悪いことばかりが出てきてしまう状況でした。

当初、ママと一緒に退院できる可能性もあると言われていた退院は、治療の進み具合によるので見通しがつかないけど年末か年跨ぎくらいだと思っておくように言われるほどにまでなってしまいました。

この頃は、NICUに赤ちゃんに会いに行くたびに、新生児科の担当医の先生が私の方に近づいてきて、状態が悪くなったことや、追加治療の承諾書を持ってくるので

赤ちゃんには会いたいけれどNICUに行くのが少し怖くなっていました。

治療は一酸化窒素で血管を広げるのと同時に、人工呼吸器で酸素を送っている量を徐々に減らしていき、耐えられるかを週単位くらいでみていくから時間がかかると言われました。

そうこうしているうちに、私が先に退院する日がきてしまいました。

退院前の朗報としては、生後7日で人工呼吸器の酸素を初めて100から95に下げることができたことくらいでした。

ただ、この酸素を100から下げるというのがかなり大きな一つのハードルとのことで赤ちゃんが耐えられなければまた100に戻ると言われていました。

回復へ向かって頑張る赤ちゃん

私の退院後は週に2回ほど面会に行っていたのですが、

退院後初めての面会の生後13日で会いにいくと、

徐々に減らす酸素が70くらいまでさがってたらいいなと思ってたら、なんと!!!

人工呼吸器が外れるところまですすんでいました!!

とても順調に回復していると先生もおっしゃってくれて、ここからは面会に行くたびにチューブが減ったり、点滴が減ったり、逆にできることが増えたりして面会がより一層楽しみになりました。

回復に向かうスピードは加速していく

生後2週間でミルクも飲み始め、生後2週間と5日で全ての点滴が外れたことにより沐浴もできるようになりました!!

生後4週間でNICUからGCUに移動して、退院日をいつにするかと言う話に!!

当初は年末か年跨ぎといっていたのが、人工呼吸器の酸素が100から減ってからの回復がとても良好で

約1ヶ月入院期間を短縮して11月中に退院できることになったのです。

凄いね!!本当に小さい身体でよく頑張ってくれて…泣きそうでした。

同じ境遇の親御さんへ

妊娠中色々な病気になったり、おそらく最後の妊娠なのに理想とは全然違うマタニティライフや出産でした。 全前置胎盤での帝王切開に向けて状況を整理してみた。

産んでからもしたかったカンガルーケアはできなかったし、1ヶ月以上の入院で貴重な新生児期を一緒に過ごすことができなかったりしましたが

そんなのもうどうだっていい!!

生きててくれて、元気になってくれて、生まれてくれてありがとうって気持ちでいっぱいです。

NICUにはまだまだたくさん赤ちゃんがいて、ここにいる赤ちゃんみんなが元気になって早くおうちに帰れるといいなと思いました。

「新生児遷延性肺高血圧症 新生児」で調べると恐ろしい記事がたくさん出てきます。
私は自分が安心したいがためにネットで調べ、結果不安になるという悪循環を繰り返しました。
その後、先生に聞くと死亡率や後遺症のことまで実際の自分の赤ちゃんの症状を個別具体的に判断し丁寧に説明してくれました。
今思えばネットで調べたことは気休めにすらならない情報でした。確率は赤ちゃんの状況によって全然変わってきますし、今回のような気胸からの新生児遷延性肺高血圧症の場合の死亡率は先生が携わった赤ちゃんでは1人もいないとのことでした。ネットだと個別症状での数値ではないため10〜60%とか恐ろしい数値が出てきますよね。

ネットで自分で調べるなら、担当医に聞きましょう。
コレが間違いありません。

ただ、主人にはもうネットは見るなと言われても調べてしまっていましたが。
後でわかったのは主人もめちゃくちゃ調べていました😅


この記事が新生児遷延性肺高血圧症と診断された赤ちゃんのママさんの少しでも助けになればと思います。

退院日決定した時の赤ちゃんの様子です👶








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